2015年1月1日木曜日

個人的なものがたり「甲状腺疾患とアレクサンダーテクニーク」

私は高校生の時に甲状腺を患い
自分の身体の中が自分の意思に反して
どんどん変わっていってしまう…
自分の思い通りにならずに
全体の機能が低下していく…経験をしました。

息が苦しくなったり
疲れやすくなってしまったり
顔つきまで変わっていってしまいました。

当然、考えや感情や行動や発言も
病気に影響されて変化していきました。


その後、手術を経て

お医者さんの言う「治癒」はしましたが
これを引き起こしたであろう根本の原因は「完治」しておらず
…根本の原因があるのかないのか、それがなにかさえ今もまだわかりませんが…
決して病気をする前の自分には

自分が満足いくようには戻れていませんでした。

病気になって以降
私は演技や体操や瞑想を主なアクティビティーとして
自分自身を探究する旅をずっとしてきました。
その後30年近く続けてきた自分を探究するという行為の動機は
この病気の経験が間違いなく大きな位置を占めています。

しかし、どんなアクティビティーも

素晴らしい学びと気づきと経験をもたらしてはくれましたが
自分の中に残る病気による心身の苦しみを根本からは解決してはくれませんでした。


その後、アレクサンダーテクニークに出会って
身体がどんどん楽になっていって
気持ちや考え方も劇的に改善されたことは
この長年の…自分のアイデンティティーにまでなってしまっていた…苦しみを変えてくれました。

症状や現象への、単なる対処的な療法やアイデアではなく
「自分を身体のデザインに従って、意識的に使っていく」具体的な方法を学び

これを実践することで
病気に、訳も分からず自分の望ましくない方へ
変えられていってしまった自分を
自分の意識的なコントロールによって
自分の望む方向へ再創造することができるようになっていきました。

もちろん時間はかかりますが
わたしはわたしを取り戻すことが不可能ではないという確信を
アレクサンダーテクニークを学び実践する経験から得ました。

この確信を得てしまったからには
私がアレクサンダーテクニークを学びつづけ
熱心に実践しないはずがありません。(笑)

そして、私と同じように
原因不明の病気や

抗うことができなかった何らかの過去(の体験)から
本気で自分を取り戻したいと望む方々や
自分自身を自分の意識的なコントロールによって
再創造したいと望む方々の
少しでも助けになればと思い
今はアレクサンダーテクニークを教える仕事もさせて頂いてます。

今わたしは自分のしていることにかなり満足しています。
自分の生きるといううごきが一つに統合されているからです。
仕事もプライベートも、一人きりの時も
いつも同じ方向に向かって、いつも同じ考え方のもと前進しています。
矛盾や分裂がほとんどありません。

たしかに、もっと繊細に考えれば残るものはまだまだありますが
どのようにすればいいかが分かっているので
後は残りの人生を迷いなく探究することができます。

いずれわたしはわたしの力でわたしを取り戻すことができるでしょう。

このまま自分の人生を終わらせるわけにはいかない…
いつか自分で自分にオーケーを出せる奴になってやる…と
執念深くもがき続けた自分は
アレクサンダーテクニークという名の
「上手な私(倉持一裕)の使い方」に出会えて本当に幸運だったと思います。

これはあくまで私個人の物語です。


みなさんがどのようにアレクサンダーテクニークと出会い
これをどのように活用されるかは自由で
それはそれぞれご自身に寄ります。

わたしとみなさんとのレッスンも
みなさんそれぞれのその時の望みに寄り添って展開されます。
わたしの訓練中は
わたしの先生方が、わたしの望みに寄り添ってくれました。

この物語を先生にシェアしたこともありますし
物語を語らずとも結果的に私のなかで物語になっていったときもあります。

アレクサンダーテクニークのレッスンと実践によって

みなさんがますます幸せになれることを希望します。

最後まで読んでくださってありがとうございました。


***

小レッスンのお問い合わせは
salondecoordination@gmail.comまで

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